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水車〜滝〜ゴンドラ

枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)
再び中庭に出ます。
箱が落ちています。これは何かの足場に使えそうです。
イコは滝の部屋の様子を思い出していました。
滝の裏側に石像の扉があったのです。
でも、ちょっと高い位置にあって、そのままでは届きそうにありませんでした。
この箱を使えばちょうどいい高さになりそうです。
イコは水路に箱を落としてみました。
箱はぷかぷかと水に浮き、そのまま滝にすいこまれて行きました。
この箱、水路の水を止めてから落としてもいいんですけれど、そうするとイコが水路を一生懸命押して行かねばなりません。
ラクできるならラクした方がいいですからね。
滝の裏側の通路を通るには、もう1つやらなけれぱならないことがあります。
滝が流れている状態では、水に阻まれて裏側に行くことができないのです。
どうにかして滝を止めなければなりません。
水車の奥にバルブのようなものが見えます。
あれを閉めれば水が止まるのではないでしょうか。
イコはやってみることにしました。
ところが。
これが思ったよりもやっかいなことだったのです。
バルブのある場所には直接行くことはできません。
はじめに水車に飛び乗って水車からレバーのある場所にジャンプしないと届かないのです。
水車に飛び移るだけでも一苦労。
水車の枠をつかみそこねて、イコは何度となく水路に叩きつけられました。
上手く水車につかまれたとしても。
水車は回っているので、タイミングよくジャンプしないとバルブの場所に届かないのです。
水車の動きに足を取られては落ち。
バルブに上手く飛び移れなくて落ち。
辛抱強いイコですが、さすがにイヤになってきました。
ちらっとヨルダの方を見ると、そんなイコに関心があるのかないのか、ひじのあたりをさすってみたりしています。
またイコは顔がカッと赤くなるのを感じました。
風車に飛びつくときもイコはすごく苦労しました。
でも今回のはもっと大変なのです。
失敗すると水路に落ちてしまうイコの身体は、あっという間に滝の部屋へと流されていってしまいます。
滝の部屋に流されてしまえば、この中庭に戻ってくるのにそうとうな時間がかかります。
たぶん道半ばで影が現れ、ヨルダはさらわれてしまうでしょう。
そう思うので、水路に落ちると、イコは必死で岸に上がろうともがくのでした。
そんな風に一生懸命やっているのに。
でも、ヨルダにあたっても仕方ありません。
イコはイライラする気持ちを抑えながら、またもくもくとバルブに向かって突進するのでした。
そうして。
やっとバルブの場所にたどり着くことができました。
慎重にバルブを閉めます。
思ったとおり水は止まり、水路は乾いてしまいました。
イコは嬉しくなってヨルダを呼ぶと、水路を走り、滝が落ち込む所から飛び降りました。
それにしてもイコは向こう見ずです。
このまま滝の下まで落ちることにでもなっていれば、もうおしまいなのに。
幸い、滝のなかほどにでっぱりがあり、イコとヨルダはその上に着地しました。
吊り橋を渡り、階段を下り、2人は滝の部屋の一番下の位置に来ました。
思った通り、水路を流した箱が落ちています。
イコが箱の方へ行こうとすると、影たちが出現しました。
イコが慌ててヨルダの手を握ると、サーベルの光が何倍にも延び。
数回振り回しただけで、影たちはあっけなく散ってしまいました。
これは本当にすごい武器です。
イコはサーベルをまじまじと見つめました。
その後、箱を石像の扉の下に置いて足場にして。
ヨルダが扉を開いてくれたので、2人は先に進むこととなりました。
そこには、今までとは違う風景が広がっていました。
整然と作られたお城の中ではなく、自然の洞窟の中に粗末な板を渡した通路が延びています。
ところどころから水が滝のようにしたたり落ちています。
さっきの滝の部屋の滝とは違い、これは自然に落ちているもののようでした。
でも、下をのぞくと大がかりな歯車のようなものがいくつかあるので、お城の仕掛けの動力源はここなのかもしれません。
巨大な歯車を見て「大きいなあ」くらいの感想しかないイコでしたが、そのうちこの歯車に苦しめられるときがくるのです。
でも、それはずっと先のこと。
途中、板が抜けてしまっている箇所がいくつかあり、その度にイコは先にジャンプして渡り、ヨルダに手をさしのべるのでした。
それにしても、とイコは思います。
自分がジャンプするのも思い切り緊張するような距離なのに、ヨルダはイコの手を信頼してまっすぐに跳んでくる。
なんて度胸がいいんだろう。
イコは今まで感じたことがないほど自分の存在の大切さを感じていました。
洞窟を抜け、外に出るとそこはまたお城の一部であろう、石造りの風景が広がっていました。
エレベータがあったので、2人が乗ると、それはするすると下へ降りていきました。
ついた先にはソファがあったので、2人はいったんそこで休憩することにしました。
ソファから立ち上がり先に進むと、橋が上がってしまっていて、先に進めないようになっていました。
なんとかして橋をおろさないといけません。
きょろきょろとイコが周りを見回すと、橋のたもとの壁をパイプが上に延びています。
とりあえずイコはパイプを掴み、登りはじめました。
イコは今いた場所の屋根になっている場所につきました。
短い線路が引いてあり、滑車のついたやぐらがその上に乗っています。
イコはやぐらを押し、線路の行き止まりまで持って行きました。
その後、やぐらの上の乗ってみると、このまま対岸にジャンプできそうです。
イコは思い切りジャンプして対岸に渡り、対岸にあったレバーを引きました。
すると橋が下がってきて上手い具合にかかったのです。
イコは嬉しくなってすぐさま橋のたもとで待っているヨルダを呼びました。
呼びかけに応じてヨルダが橋を渡り始めると。
それに呼応したように影たちがわらわらとわいてでてきたのです。
慌てたイコはヨルダの元へ駆け戻ろうとして足をすべらせ、そのまままっさかさまに崖下へと落ちていってしまいました。
はっと気がつくと、イコはまたソファに座っていました。
ヨルダはかたわらで寝息をたてています。
こんなことが今まで何回あったでしょうか。
イコはおぼろげな記憶をたどってみました。
そのとき思ったのですが、どうやら影はヨルダがある地点に来ると出現するようなのです。
この場所では、橋を渡りはじめた地点で。
そんなわけで、今回、イコはソファの所にヨルダを待たせておくことにしました。
そしてまた、橋をかける作業をはじめました。
橋は無事にかかり。
でも今回はヨルダをそのまま呼んだりしません。
イコは一旦ソファまで戻り、ヨルダの手をしっかり握りしめながら、そろそろと橋の場所まで来ました。
そして橋を渡ろうとしたら。
思ったとおり影たちが襲ってきたのです。
イコは素早く壁際にヨルダを押しつけ、自分の身体で守るようにして影たちを倒していきました。
影たちはあっけなく消えていきました。
橋を渡るとまた洞窟に入りました。
そのまま道なりに進むと、また外に出て。
その先に大きなゴンドラがありました。
今までのエレベータは乗れば自動で動いたのですが、今回のゴンドラはびくとも動きません。
ゴンドラの中央には棒の付いた滑車があり、どうも滑車を人力で回さないことには動かないようです。
イコは棒をつかみ、足を踏ん張って、一生懸命に押しました。
するとゴンドラが少しずつ上へ動き始めました。
これは思ったよりも力のいる作業です。
ちょっと疲れてきたイコは、はっとあることに気が付きました。
そして棒の一番端をつかむと、先程のようにまた押し始めました。
すると、さっきより小さな力でゴンドラはするすると上へ登り始めました。
ゴンドラがついた先にソファがありました。
滑車を回すのに疲れたイコはぐったりとソファに腰かけると、そのまま寝入ってしまいました。
目をさましたイコが周りを見回すと。
そこは細長い建物がたくさん並んで建っている場所でした。
下をのぞくと目がくらむほど高い位置に自分がいるのがわかりました。
ここでイコは何度となく終わらない悪夢を見ることになるのです。