ICO
中庭〜滝〜ピストン〜隠し部屋

枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)
中庭は前にきたときのように明るく静まりかえっていました。
イコが割れた窓の所へ行くと、思ったとおり、ちょうどいい具合にロープが垂れ下がっていました。
イコはさっそくロープに飛びつき少し登ると反動をつけ、上の割れた窓から中へ入りました。
そこから隣の部屋へ行き、箱を下の階に落とすと同時に自分も下に飛び降りました。
その階の割れた窓から箱を外に落とせば、それを足場にして、ヨルダも部屋の中に入ることが出来ます。
イコは嬉しくなって思わず部屋の中からヨルダに呼びかけました。
そして何の気なしに箱を窓から下に落とすと。
何と!箱の真下に呼ばれたヨルダがいたのです。
箱の角がヨルダの頭を直撃する様子が、まるでスローモーションのようにイコの目に映りました。
もう、おしまいだ、とイコは思いました。
今までも影にやられて何度となくおしまいになったような記憶があります。
でも、今度のはそれとは比較にならない程のものだとイコは思いました。
イコが絶望的な気持ちのまま目をそらすこともできずにヨルダを見ていると。
箱にあたって倒れたヨルダは、何事もなかったように立ち上がりました。
このときほど、イコがヨルダの石頭に感謝したことは...いえ、もう二度とこんなことにならないように、
もっと行動に注意を払おう、とイコは固く固く誓ったのでした。
部屋には階段があり、階段の上には石像の扉がありました。
ヨルダの力で扉は開き、2人は先へと進むのでした。
扉の先には、今まで見たことのないような光景が広がっていました。
天井の高いホールのような部屋の中を、滝が流れ落ちていたのです。
イコはしばらく口を大きくあけたまま、その光景に見入っていましたが、隣でヨルダが静かに立っているのにやっと気づき、
慌てて先へ進む方法を考えはじめました。
部屋の中央に橋がかかっていて、対岸の扉から外に出られそうでしたが、その扉には格子がはまっているのでした。
格子扉を開けるレバーはこの部屋の中にはないようで、イコはヨルダを部屋に残したまま先へ進む道を探すことにしました。
橋を渡ったところにある鎖を伝ってまず下へ。
階段を登って下段にある吊り橋を渡り、外へ。
外へ出たら地面まで飛び降り、エレベータを使って上の段へ。
そのまま格子扉のある場所へ進むと、はたして、レバーがありました。
レバーを引くと、格子扉が開いたので、さっそくイコはヨルダを呼び、2人で外へ出ることが出来ました。
2人でエレベータに乗って地面へ下りると、大小の段差を使ってまた上へ。
大きい段差はヨルダ1人では登れないようだったので、イコが手を貸してやって。
上の段についたら再び部屋の中に入り吊り橋を渡ると、そこに石のソファがあります。
滝の冷たく心地よい水しぶきを浴びながら、2人はひととき休息するのでした。
充分休息をとった後、2人は再び吊り橋を渡り、外へ出ました。
そのまま地面まで下りると、イコはヨルダをそこに残したまま1人エレベータで上に行き、再び滝の部屋へ入りました。
壁づたいに進みハシゴを使って上へ。
上の窓から外へ出ると、鎖が下がっているのでジャンプして飛びつきます。
そのまま反動をつけて対岸へ。
ハシゴで下に下り、箱をヨルダがいる場所まで落とします。
このとき、イコはさっきの二の舞にならないようにと、ヨルダを呼びたくなる気持ちを必死に押さえ、
箱を落とすときも、下にヨルダがいないことを確かめてから慎重に落としました。
もうあんな気分は二度とごめんだったのです。
箱が下に上手く落ちたので、イコは初めてヨルダを呼び、呼びかけに応じたヨルダは箱を足場にして、イコがいる場所にまで登ってきました。
イコは先に長いハシゴを登ると、上からヨルダを呼びました。
ヨルダは素直にハシゴを登ってきます。
突然、またイコの脳裏に長いハシゴをおりてくるヨルダの映像が浮かびました。
イコは恥ずかしくなって登ってくるヨルダを見ないように顔をそむけながら呼び続けました。
今回はイコの方が上にいるのですから、何が見えるわけでもないのですが。
よっぽど、あの光景はイコにとって強烈だったようです。
道なりに進み、ハシゴを登り扉をくぐると、建物と建物を繋ぐ橋に出ました。
橋を渡って次の部屋へと入ります。
その部屋は天井が高い、ガランとした部屋でした。
外に出られそうな大きな扉がありましたが、それは固く閉ざされています。
部屋の片隅に何か機械仕掛けで動くようなものがあります。
でも、それは止まったまま動いてはいませんでした。
とりあえず、これを動かしてみよう、とイコは思いました。
何かスイッチを入れるレバーのようなものがあるはずです。
天井に向かってハシゴが延びています。
イコはハシゴを登ると、天井にそって延びているパイプにつかまり、そろそろと移動しました。
パイプの行く先にでっぱりがあって、そこにレバーがありました。
イコがそれを引くと、機械仕掛けのものが音をたてながら動き出したのです。
イコは素早く下に降りてその機械仕掛けの側に行ってみました。
機械はガタガタと大きな音をたて、床から出ている棒状のものが床すれすれまで下がったかと思うと、
ピストンのようにピョンと上へ突き上がるのです。
イコはピストンをしばらくながめていましたが、ふと、上を見上げました。
はるかかなた天井の方に何かでっぱりがあるのが見えます。
どんなにジャンプしても手の届かない所。でも、このピストンの反動をつかえば。
イコはそろそろとピストンの上に乗ってみました。
そして、ピストンが跳ね上がると同時に自分もジャンプしてみたのです。
でも、タイミングが合わなかったのか、思ったほどジャンプすることは出来ませんでした。
何度もタイミングを見計らってやってみたのですが、やはりだめです。
やけになったイコはタイミングも何も考えずにただただピストンの上でジャンプを繰り返してみました。
すると、何回目かのジャンプで偶然ピタリとタイミングが合ったらしく。
イコの身体は空中高く放りあげられました。
すかさずでっぱりを握りしめます。
でっぱりの上には窓があり、イコはそこから外に出ました。
今までいた部屋へ通じる階段の脇にレバーがあります。
そのレバーを引くと、固く閉ざされていた扉が開きました。
イコは大声でヨルダを呼びます。
こうして2人は部屋の外で再び一緒になることができました。
部屋の外は草が青々と生い茂る庭になっていました。
日差しも強く降り注ぎ、今まで薄暗い部屋の中にいたイコにとっては目に染みるほどの緑が広がっていました。
片隅には水車がゴトンゴトンと回っていて水が流れています。
流れの先を目で追ってみると建物の中に入っていってストンと落ち込んでいます。
たぶんそこはあの滝の部屋でしょう。
ここからの流れが部屋の中に落ち込んで大きな滝を作っているのです。
庭には何本か低い木も植わっています。
階段の側の木を何の気なしに見上げたイコの目に、何か丸いものが枝に引っかかっているのが映りました。
なんだろう?とイコは思わず木の幹を剣で思い切り叩いてみました。
すると。
丸いボールのようなものがイコの目の前に落ちてきました。
皮でできているような、あんまりはずまないボールです。
こんなもの、何に使うんだろう。
ボールを手にとってまじまじと見ていると、何かの光景がイコの頭に浮かんできました。
イコははじかれるように階段を駆け上り、部屋の中に戻りました。
もちろん、ヨルダを呼ぶのも忘れずに。
部屋の中は段差があって、ピストンの反対側に舞台のような場所があるのです。
その舞台の下の壁に3つほど色の違う板がはめ込んであります。
イコは3つの真ん中の板の端に立つと、思い切り押し始めました。
すると、板が回転扉のようにぐるっと動き出したのです。
その先に小さな部屋がありました。
部屋の奥には舞台のような場所があり、部屋の中央には、以前、東の偶像階段にあったような丸い台座があります。
あのとき、イコとヨルダが2人で台座に立つと仕掛けが作動したのでした。
今度も何かが起こるに違いないと思い、イコはヨルダを呼び、2人で台座の上に立ちました。
すると、目の前の舞台にカップ型のものがせり上がってきました。
イコは手に持っているボールを見て思いました。
あのカップの中にボールを入れたら何かが起こるに違いない、と。
ところが。
イコときたら、本当に不器用なんです。
狙いを定めて、ボールをカップに入れようとしているのですが、全く入る気配もありません。
だんだんイコは、ヨルダの前で無様なかっこうをさらしているのに耐えられなくなってきました。
カップが高いからいけないのです。カップのある位置にボールを置くだけなら簡単なことでしょう。
ボールを置く?
仕掛けを作動させる前にボールをカップがせり出してくる位置に置くことができたら。
そしたらカップがせり出してきたときに、カップにボールが入るんじゃないか。
イコはカップがせり出す前の時間に戻ってほしい、と心から念じました。
すると、願いがかなったのか、イコの周囲の景色がぼやけてきました。
イコの意識も薄れてきて。
気が付くと、イコはヨルダと一緒に滝のある部屋のソファに座っているのでした。
どうしてこうなったのか、イコにはわかりませんでしたが、とにかくこれでやり直すことができます。
イコの外の世界では、これを「リセット」と言うのですけどね。
同じ道程を繰り返して。
やっとイコは隠し部屋の中にまできました。
円形の台座に立つ前に、舞台の上のカップがせり上がってくる場所に慎重にボールを置いて。
それから、ヨルダと2人で台座の上に立ちました。
カップがせり上がってきて。思い通り、ボールはカップの中にストンと入りました。
すると窓から何やら投げ込まれてきたものがあります。
イコが側に行き確かめてみると、それは剣の柄のようなものから棒状の光が短く延びている武器のようでした。
(注:この隠し武器は1周目では「メイス」なんですけど、2周目以降だと入手できるこの「ライトサーベル」の方が劇的なので、
こちらを入手したということで進めていきます)
こんなもので影と闘えるのだろうかといぶかしがりながら、部屋を出ようとヨルダと手を繋いだとたん。
光がイコの背丈よりも長く延びたのです。
びっくりしたイコがヨルダの手を離すと、光は最初のように短くなってしまいました。
おそるおそるヨルダと手を繋ぐと、また何倍も延びる光の剣。
この光をよく見ると、どうも、ヨルダが石像の扉を開けるときに放たれる光と同じ種類のもののようです。
あの光を浴びると、影たちは一瞬で消えてしまいます。ということは、この剣も。
イコは改めてすごい武器を手に入れたのだと感じてぞくぞくしました。
これで、この先の影との闘いはずっとラクになることでしょう。
それにしても、誰がどうやって武器を投げ込んでくるのでしょうね。不思議。