ICO

風車〜排水溝のある中庭


枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)

扉から外へ出るとそこは海をのぞむ崖の上の広場でした。
大きな風車がゆったりと回っています。
白い鳥が何羽も遊んでいて、ヨルダはすっかり鳥に心を奪われてしまったようです。
自分たちの状況を考えなければここでピクニックをしてもいいような雰囲気が漂っています。
でも、先に進まなければなりません。
イコはあたりを見回して進める道をみつけようとしました。
風車の上の方に道がありそうです。
イコは風車の上へよじ登りました。

風車の上まで登ると、目の前で風車の羽がゆったりとまわっていました。
どうやら風車の羽に飛び移り、羽が風車のてっぺんにきたときにジャンプすれば風車の最上段に行けそうです。
イコは羽がくるタイミングを見計らって助走をつけ、羽に飛び移ろうとしました。

ところが。
風車の羽をつかみそこね、そのままイコは下の水たまりへ。
バシャーン。
イコはあわてて泳ぎ岸に上がって何事もなかったようにまた風車によじ登りました。
泳ぎは得意なイコでしたが、羽をつかみそこねて水たまりに落ちたことをヨルダに知られたくなかったのです。
ヨルダは相変わらず鳥に気をとられていてそんなイコには気づかなかったようですが。

それでも。
あまりにも何回も水音がするのでさすがにヨルダも不思議に思ったようです。
身体中からしずくをしたたらせているイコを見た後、風車を指さし、イコが知らない言葉で何かを言いました。
ヨルダはイコが何回も風車から落ちていることには気づかなかったようです。
単にイコが進むべき道を見つけられずに困っていると思ったみたいでした。
それで風車を指さしたのです。
「あの上に登れば先に進めると思うわ」と。

イコは身体がかっと熱くなるのを感じていました。
水たまりに映してみれば顔が真っ赤になっているのがわかったに違いありません。
わかっているのです。イコにはよくわかっているのです。
風車の上に登れば先に進める。わかっているのにできなくて水びたしになっているのです。
イコは乱暴に身体を振り、また風車の羽に挑み掛かるように上へ登り始めました。
そしてやっとのことで。
羽の枠をつかむことができたのです。
イコは慎重に羽がてっぺんに来るのを待ち。
えいっと風車の最上段に飛び移りました。

建物の周りをぐるっと回ると、ヨルダが待つ崖の方にまた出ました。
レバーがあったので引いてみると木の橋が途中までかかりました。
橋の先端でヨルダを呼ぶと、ずいぶん距離があるように見えたのですが、ヨルダは真っ直ぐイコの手にめがけてジャンプしてきました。
なんてヨルダは度胸があるのでしょう。
イコは先程ヨルダに対して乱暴な気持ちになってしまったことを恥ずかしく思いました。
恥ずかしさのあまり、イコは1人で先に進んでしまい、気が付くと石像の扉の前にいました。
あわててヨルダを呼ぶと。
けっこうな段差もある道なのですが、ヨルダは文句ひとつ言わずイコの側へ来るのでした。
イコはますます恥ずかしくなってしまいました。
ヨルダの力で扉は難なく開きましたが、2人とも少し疲れました。
扉の中に入る前にソファでひと休みすることにします。

セーブポイント<風車>

うとうとしている間に夢を見たのでしょうか。
イコはまた風車の上に立って羽に飛び移ろうとしていました。
助走をつけてジャンプすると、やはり夢だからでしょうか、イコはすんなり羽につかまることができました。
羽がてっぺんに向かって上っていくのを感じながら、イコはふと、このまま羽につかまっていたら下に降りれるのかどうかやってみたくなってしまいました。
てっぺんを越えてもイコは羽につかまっています。
羽が下降して少したったとき、いきなり手が離れイコはそのまま地面にたたきつけられました。
水たまりに落ちたときは大丈夫だったのですが、固い地面に叩き付けられたイコの意識はふっつりと途絶え...

そこでイコは目が覚めました。
どうやら夢を見ていたようです。
汗びっしょりで混乱しているイコをよそにヨルダはかたわらで小さな寝息を立てていました。
それを見ているとイコはほっとしてふたたび眠りに落ちました。

ところで。
イコは今回ここに来るのは初めてではないような気がしていました。
以前にも風車にトライしていたような気がするのです。
イコの外の世界ではそれを「デモムービー」というのですが、もちろんイコはそんなことは知りません。
「デモムービー」の中でイコは水たまりのふちから、つまり下から風車の羽に飛び移ろうとしているのです。
その意識がよみがえったのかどうか、夢の中でイコは今度は水たまりのふちから羽をつかもうとしました。
でも、つかむことはできず、イコは水たまりに落ちました。
この位置から羽につかまるのはムリなのでしょうか。
「デモムービー」でもイコは水たまりに落ちていたわけですが。

今度は本当にすっかりイコは目が覚めました。
ヨルダと一緒に石像の扉をくぐります。

扉の先は壁に囲まれた空間でした。
部屋のようにも見えますが、天井はなく上から鎖がぶら下がっています。
どうやらまずイコだけ先に進まなければならないようです。
イコはジャンプして鎖に飛び移り、そのまま上に登りました。
上の足場についたとたん。
いきなり影が現れたのです。
イコはあわてて飛び降りヨルダの手をしっかり握ると影を一体ずつ倒していきました。
影がすっかりいなくなってから改めてイコは鎖を登り上の足場にたどり着きました。
上には石像の扉があります。
もちろん開いていないのでイコは傍らの階段を下りて中庭に出ました。

中庭には格子のはまった排水溝が一列に並んでいました。
そのうちの1つの格子がはずれていましたので、イコはそこから下に飛び降りてみました。
下は水路になっていて水が流れています。
水路の両側には格子が下りていて出れないようになっているようです。
片側の格子の向こうに残してきたヨルダが立っているのが見えました。
こんなに近くにいるのに2人は一緒になれないようです。
しばらくあたりを見渡してみましたら水路の両側が小高くなっている箇所があり、真ん中に穴がありました。
試しに片側の穴の中に立ってみると片側の格子が上に上がりました。
これで外に出られるようです。
イコはヨルダがいる空間との格子が開く方の穴に立ち、格子を上げてからヨルダを呼びました。
ヨルダはイコのもとに駆け寄ってきました。
イコはもう片方の穴の方にヨルダを誘導し、穴の中に彼女を立たせました。
もう片方の格子が上がりました。
イコはそこから外へ出ました。

パイプをつたって中庭のヘリにたどり着くと。
先程の排水溝が並んでいる地面との間がぱっくりと大きな溝で隔てられているので、ジャンプして飛び越えます。
このジャンプがなかなか成功しなくて。
イコは何度も水路に落ちましたが、諦めずにジャンプし続けました。
やっと対岸にジャンプできたので、さっそく格子のはまっていない排水溝からヨルダを呼びます。

ですが。
いつもはイコの呼びかけにすぐ答えて走り寄ってくるヨルダなのですが、ここは何故かイヤな場所らしくて。
何回呼んでも「いや」と言ってきてくれないことがあります。
そんなときはずっと呼び続けるのではなく、少し呼ぶのをやめてから改めて呼んでみると来てくれることが多いようです。
排水溝の下からジャンプしたヨルダの手を引っ張り上に上げてあげます。
やっと2人は一緒になることができました。
階段を上り石像の扉を開け、先に進みます。
←BACK NEXT→