ICO
クイーン登場

枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)
少女の後を追って扉をくぐると、そこはお城の正門のようでした。
巨大な門が前方にあって、なんとそれが開いていたのです。
イコは興奮して叫びました。
ところが、門はイコたちを逃すまいとするかのようにどんどん閉まりはじめました。
イコは少女の手をとって、門に向かって全速力で走り出しました。
門はどんどん閉まっていきます。
イコは必死で走りました。
ところが、門のすぐそばまで来たところで少女がなにかに引き戻されるかのように転んでしまったのです。
2人の手が離れてしまいました。
イコがあわてて後ろを振り返ると。
少女のように透き通るような白い身体に黒い影のような髪と衣服をまとった女の人が現れました。
さぁ 帰っておいでヨルダ
おまえだね わたしのかわいい
ヨルダを連れまわしているのは
その娘が誰か
わかっているのかい?
おまえと一緒にいるのは
わたしのたったひとりの愛娘――
――いずれはこの城を継ぐもの
あたまにツノのはえたおまえとは
すむ世界がちがうのだ
さぁ 身のほどをわきまえて
ここから 立ち去るがよい
女の人は現れたときと同じように突然かき消えてしまいました。
彼女はこの城の女主(クイーン)のようです。
そして、少女のことをヨルダと呼んでいました。
驚いたことにヨルダはこのお城の跡継ぎだと言うのです。
この世のものとも思えない透き通る肌をした少女は、まさにこのお城の主となるにふさわしい気がします。
でも。
それならどうしてヨルダは鳥籠のような檻の中に閉じこめられていたのでしょうか。
わけのわからないことばかりで、イコは混乱してしまいました。
それでも、とイコは思いました。
イコがすべきことは今は1つしかありません。
ゆっくりとイコはヨルダに手を差し伸べました。
ところで、イコたちの言葉はわたしたちの言葉とは異なっていて、何を言っているかは字幕を通してしかわからないのですが。
この「だいじょうぶ」だけは、わたしたちの言葉とおんなじように聞こえますね。
イコの呼びかけにヨルダはつぶやくように言いました。
それでもヨルダはイコの差し出した手をとって立ち上がりました。
そんな2人に警告するかのようにクイーンの声が響き渡りました。
なぜわからぬ
おまえは外の世界では
生きていけないのだよ