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シャンデリアの間〜中庭


枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)

入り口から2人が中に入ると、そこは大広間の上段の通路の上でした。
イコがふと上を見上げると大きなシャンデリアが下がっていました。
昔、この広間では連日連夜パーティが開かれていたのかもしれません。
でも、今はすっかり朽ち果ててしまっています。
上段の通路は部屋をぐるっと取り巻いているだけでここから先には行けないようです。
イコは先程のソファがあった場所に下に下りる階段があったことを思い出しました。
下から広間に下りれそうです。
見下ろすと広間の中央はぱっくりと割れてしまっていて、とても先に進めるようには思えないのですが、それでも一度下りてみようとイコは思いました。

外へ出て下へ。
いつものようにイコは1人で階段を下り、それから少女を呼んだのですが、そのときおもしろいことに気づきました。
広間の入り口で少女を呼ぶと、少女は階段を下りようとはせず、なんとダイレクトに下に飛び降りてイコの元に来ようとするのです。
でも、足場もなく、そんなことはできないので少女はイコの真上でおろおろとつぶやくばかり。
どうやら階段の存在に気が付かないようです。
仕方ないなあと思いながら、イコは少女の手を引くためにもう一度階段を上るのでした。

広間の入り口をふと見ると爆弾がいくつか並んでいます。
これはなにかに使えるかもしれません。
イコは爆弾を抱え上げ、木ぎれを持ち、少女と手をつないで歩きます。
すごい力持ちです。
その体勢で広間へ入りました。

広間はやはりぱっくりと裂けてしまっていました。
裂け目に近づくとどこまでも底がないような闇が広がっていました。
こんなところに落ちてしまってはひとたまりもないでしょう。
どうにかして先に進む道を作らないといけないようです。
イコは目の前に広間上段を横断している通路を支える柱を見ました。
イコはそれから自分が抱えている爆弾をまじまじと見、 これを爆発させて柱を折り通路を落としたら先に進めるのでは、と思いつきました。
さっそく爆弾を柱の側におきます。
ところが、困ったことに導火線に付ける火だねがないのです。
広間の上にはシャンデリアがあり、いくつかのろうそくに火がついているようです。
あの火を使えば爆弾に点火することができそうです。
でも。
シャンデリアは爆弾からどうにも離れてしまっています。
シャンデリアのろうそくの火をイコが持っている木ぎれにうつしても爆弾のところまで戻ってくる間に消えてしまいそうです。
どうしたらいいのかイコは途方に暮れてしまいました。

4日くらい途方に暮れて(←どこの時間の感覚だ)さっぱりわからなくて、とうとうイコは「天の声」を頼ってしまいました。
頼ってみたら「ああっ、そんなことだったのかあ!」と自分で解けなかったことがとってもくやしかったのですが。

イコは少女の手を引いていったん外に出ました。
外の階段を上って上の入り口から広間へ入ります。
入り口付近の通路に少女を残したままイコは広間の向こう側まで走りました。
向こう側にはいくつか窓があります。
イコは窓の桟に手をかけて上に上りました。
そして天井にむき出しになっている梁の上をシャンデリアの方へ進みました。
梁は細く、イコは何回かよろめいて落ちそうになりましたが、なんとかシャンデリアの上にたどりつくことができました。
下では少女が心配そうに見守っています。
イコは深呼吸をして、シャンデリアを吊しているロープを思い切り木ぎれで叩きました。
ロープが切れ、シャンデリアはイコもろとも落下していきます。
イコは上手い具合に通路の上に落ちることが出来ましたが、シャンデリアはそのまま広間中央の裂け目に落ちていってしまいました。
が、シャンデリアの一部が広間の裂け目の端にひっかかって。
ろうそくに火がついたまま残りました。
これで爆弾に火が点けれます。
シャンデリアが落下した衝撃で通路を支える柱にもヒビが入ったようで、これでますます柱は折れやすくなったようでした。

今度は広間の方に下りてきたイコと少女。
イコは注意深く木ぎれにろうそくの火を付けました。
そして柱のかたわらにおいた爆弾に点火します。

大音響と共に柱が折れ、上にあった通路がナナメに向こう側の出口までかかりました。
これで先に進むことができます。

ところで。
このシャンデリアの間、先に進めるルートを作るまでに何回も出たり入ったり上に行ったり下の広間に下りたり。
けっこうめんどくさいです。
でも、めんどくさいからといって、イコ1人で移動していると必ず影が出現します。
移動が大変なので、ほとんど少女を助けることは不可能です。
イコが上にいれば少女も上、下にいるときは少女も下においておかないとだめみたいです。
上下さえ一緒なら少女は入り口においておいて、イコだけ向こう側に行っても大丈夫みたいですが。

これでやっと先に進めるようになりました。
イコと少女はまた上の入り口から広間に入り直します。
上から見ると落ちた通路が真っ直ぐ出口に向かっています。
イコは少女をそこにおいたまま1人通路をかけおりました。
出口は石像の扉で閉ざされています。
この扉を開けるには少女の力が必要です。
イコは扉の前で少女を呼びました。少女は真っ直ぐイコのほうに走りよってきます。
するとまた影がわきでてきました。
イコはドキドキしながら少女を呼び続けます。
間一髪。影が少女を捕らえるより先に少女は扉にたどりつき、ほとばしりでる光で影は一瞬にして消えてしまいました。

少女が間に合わなかった場合。
それでもイコは少女を助けるためにかけよらない方がいいです。
影の穴は下の方、扉の近くにあるのです。
どちらの穴に少女が引き込まれるかを確認し、落ちついて少女を救出し一緒に扉に近づけば影を一掃することができますから。

石像の扉から外へでると。
そこは中庭でした。
明るい日ざしがさしこんでいて影の存在なんて忘れてしまいそうです。
でも、イコはいやな感じがしました。
いつもなら少女をその場に残して自分だけ先に進み、先がどうなっているかわかってから少女を呼ぶのがイコのやり方でした。
それがここでは絶対に少女の手を離してはいけない気がしたのです。
イコは少女の手をぐっとにぎりしめ、注意深く歩き出しました。
すると。
イコたちを待っていたかのようにいきなり影がわらわらと現れたのです。
ものすごい数です。あの明るかった中庭が一瞬にして暗くなってしまったようです。
イコが横目でちらりと見てみると、少女を引きずり込もうと待ちかまえている穴も1つや2つではないようです。
イコは少女の手をにぎりしめたまま猛然と駆け出しました。
とにかく先へ先へ。
影たちが少女を奪おうとイコたちの側に集まってきました。
でもイコは木ぎれで影たちを追い払おうとはしませんでした。
そんなことをしている間に少女を連れ去られてしまいそうだったからです。
影の手に少女がわたればきっとそれで終わりになってしまいます。
階段をぐるりとまわって下りると前方に石像の扉が見えてきました。
イコは夢中で扉に向かいました。
少女が扉にたどりついたとき。
いつものように光がほとばしり、あんなにいた影が一瞬にして消えてしまいました。
開いた扉に手をかけて荒い息をはきながらひと休みするイコ。
そんなイコのかたわらを、今何があったのかも忘れたように少女がするりと扉の向こうに駆けていってしまいました。
イコは慌てて少女の後を追いました。
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