ICO
螺旋階段の部屋〜古い橋〜階段が出現する部屋

枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)
ところで、イコは女の子をどう扱っていいかよくわかりません。
生まれたときからイコはずっとひとりだったような気がします。
村人たちからいじめられたりとかそういう記憶はないのですが、わざわざ友達になろうと側にきてくれる人もいなかったわけで。
女の子の扱いというより、他人とどう距離をとっていったらいいのかわからなかったのです。
最初、イコは決して少女の手を放すまいと思っていました。
あんな恐ろしい影が少女を連れ去ろうとしているのですから当然です。
でも、少女の手を握ったままイコが走ると、知らず知らずのうちに少女を振り回してしまうようで。
少女がイコのペースについていけず息をはずませているのを聞いて、イコはなにか悪いことをしている気分になってしまうのでした。
そんなわけで、イコは先に1人で進み、危険がないとわかったところで少女を呼ぶことにしました。
螺旋階段の部屋から出たところに大きな段差があったので、イコはさきに段差を上り少女を呼びました。
かなり高い段差でしたが少女は自力でのぼってついてきました。
本当は手を差し伸べて助けるべきだと思うのですが。
イコはそこまで頭がまわりませんでした。
外へ出ると橋のたもとに石で出来たソファがありました。
少女がソファに近づくと、ソファがきらきらと光った気がしました。
今まで気を張りつめすぎていてイコは疲れたのでしょう。
さっそくソファに座ってしまいました。
そのあと、少女もソファに座って少し休めばいいと思い、イコは座ったまま手招きで少女をソファに座らせようとしました。
イコ、今年13になったばかりだと思うのですが。
なんか手招きの仕方がおっさんくさいです。
「ね〜ちゃん早くワシの隣へ座れや」という感じ。
他の子供たちとかかわったことがないのでこんなにおっさんくさくなってしまったのでしょうか。
それは違う!という気がしますが。
イコはソファに座ったまましばらく眠ってしまったようです。
傍らを見ると少女が小さな寝息をたてて眠っていました。
その寝顔をしばらく見ていると、イコの心の中に少女がいとおしいという気持ちがどんどん大きくなっていきました。
今ではとらわれの少女を助け出さなければ!という思いだけで進んでいましたが、それとは少し違う気持ちがイコの心の中に広がっていきました。
こんな気持ちになったのは生まれてはじめてだったかもしれません。
イコは急に立ち上がり先程の螺旋階段の部屋の方に戻りました。
少女を手招きして呼びます。
少女は素直にイコについてきます。
イコはハシゴを登り、螺旋階段を上り始めました。
途中途中で少女を呼ぶと少女もイコについて上ってきます。
やがて階段が崩れ鎖を使わないと先に進めない所にきました。
イコは身軽に鎖をよじ登り上から少女を呼びます。
ところが。少女は首を振りついてきません。
少女は鎖を登ることはできなかったのです。
螺旋階段をまた上ったのは気まぐれからではありません。
階段を上る途中で窓の外に出て見たあの光景。
あれを少女と一緒に見てみたい、とイコは強く思ったのです。
でも、これ以上先に進むことはできないようです。
イコは急につまらない気持ちになって、少女をおいて1人でさっさと螺旋階段を下まで下りてしまいました。
下から荒っぽく少女を呼びます。
少女はイコの気持ちを知ってか知らずか呼ばれたとおり階段を下りてきました。
螺旋階段の手すりから少女が下りてくる姿がひらひらと見えます。
その姿を見ているとイコの気持ちも少しおさまってきたようでした。
再び橋のたもとに立つイコと少女。
イコがふと橋の欄干を見上げるとそこには銅像が立っていました。
よく見るとその銅像の頭にはツノのようなものがあるようです。
今は片方にしかないツノですが、以前は両方にあったのでしょうか。
欄干のもう一方の側にも銅像が立っていたようですが、今は片足のみが残っています。
この銅像の頭にもツノがはえていたのでしょうか。
ここはツノのあるものが住まうお城だったのでしょうか。
イコは足のみが残る方の台座の上に立ってみました。
立ちながら自分と同じ者がこのお城の主だったなどと想像していると、
自分がまるでこのお城の一部になってしまったような気がしてきてドキドキしました。
想像を振り払うように橋を渡り1人向こう側にたどりついてしまったイコ。
つきあたりの石像の扉を見て我に返り、あわてて少女を呼びました。
少女は小走りに橋を渡り始めました。
ところがなんということでしょう。少女が橋の真ん中あたりまで来たとき、いきなり橋が崩れ落ちてしまったのです。
かろうじて残った部分にぶら下がった少女。
イコがびっくりして立ちつくしているうちに、少女は自力ではい上がり、無事にイコのところまで来ました。
石像の扉と少女が反応して扉が開きます。
中へ入りながら、少女が落ちかけたときになんでとんでいって手を差し伸べなかったのだろう、とちょっぴり心が痛んだイコだったのでした。
2人で部屋に入るといきなり影が出現します。
とっさにイコは少女の手をとり反対側の扉から少女を外に出します。
1人だけ部屋に戻ったイコ。
少女に気をかけなくてすむのなら影はそんなに怖い敵ではありません。
クモのような小さい影がすばしっこくて手こずりましたが、何とか撃退し、少女を中に呼び寄せます。
少女を反対側の外に待たせておいて影を撃退する方法。
これがけっこう難しいです。
せっかく外に出しても、イコが部屋の中に戻ると少女もついて戻ってきてしまうことが多いからです。
2周目に2人プレイにしておいてやるとやりやすいかもしれません。
外に出さなくても、少女を段差の下側においておくと影にさらわれることが少なくなるようで闘いやすいです。
影を倒した後、この部屋のカラクリを解かねばなりません。
反対側の扉から外にでると橋があるのですが下に下りてしまっていて渡ることができません。
部屋の段差の下にこれみよがしに箱が置いてあるのですが、この箱を動かす動作が上手くいかなかったようで。
何回も押してみたのですが動かなかったのです。
そのうち少女が箱に乗ってしまいました。
少女を箱の上に乗せたまま押してみると。
何と!箱が動いたのです。
箱の下敷きになっていたスイッチが解除され階段が出現しました。
これで先に進むことができそうです。
ここでイコは非常な思い違いをすることになります。
すなわち「箱は少女が乗った状態でないと動かない」
この思い違いにより、イコはずいぶん長いこと1人旅をするハメになるのですが。