ICO
オープニング

枠外はセーブポイント名及び実際にゲーム中でキャラが語る言葉です(2周目)
新緑の中、孤島にある荒れ果てたお城へと馬で向かう一行がありました。
ツノの生えた少年、イコを生贄としてお城へ運んでいくのです。
イコの手には手かせがはめられていました。
ときおりその手かせが苦になって動かしてみるイコでしたが、逃げだそうという気はありませんでした。
幼いころから言い聞かされ、自分の運命を受け入れていたからです。
同行するのは3人。
風体から察するに男のようですが、みな顔を布ですっぽり覆っているために詳しいことはわかりません。
イコの馬に同乗している男の頭にはツノがありませんが、各々の馬に乗っている2人の男の頭にはツノがあります。
村の掟では、ツノの生えた子供は13才になるとみなお城に連れて行かれるとイコは聞いていました。
そうするとこの男たちはどういった者たちなのでしょう。
同胞を城に送るために何人かのツノの生えた子供は生贄を免れるのかもしれません。
それでも普段はどこかで幽閉に近い状態で過ごしているに違いありません。
イコが今まで彼らを見かけたことは一度もなかったのですから。
一行は海岸線で馬を降り、小船でお城へ向かいます。
しばらくすると一行はお城の船着き場に着きました。
お城への入り口は何かをかたどったような石像で出来た扉によって硬く閉ざされています。
ツノのある男の1人が小高いところにある祭壇のようなところから一振りの剣を持ってきました。
男が剣の鞘を少し抜くと、剣と石像の扉が反応を起こしたのでしょうか。
まばゆい光が飛び散り、扉がひらいたのです。
後にイコがヨルダと共にお城の中をさまようことになったとき、やはりヨルダと石像の扉が反応してまばゆい光と共に扉がひらくのですが、
この剣とヨルダは同じ力を有していると言えるのかもしれません。
しかも、剣を振るったのがツノのある男だったことから、その力はツノのある者がいないと発揮されないものなのかもしれません。
エレベータを上がってまた石像の扉を経て中に入ると。
そこは壁一面にカプセルのようなものが並べられている部屋でした。
カプセルのひとつが開いており、男たちはそこにイコを入れカプセルを閉じました。
やがて男たちは去り、部屋の扉が閉まった気配がし、あたりは全くの静けさに包まれました。
今までは従順に運命を受け入れていたイコでしたが、さすがに心細くなってきました。
どうなるものでもないとわかってはいたけれど、カプセルに繋がれている手を動かしてもがいてみます。
そうすると。
もともともろくなっていたのでしょうか。それとも何か他の力がはたらいたのでしょうか。
イコのカプセルを支えていた土台が崩れ、カプセルが横転。
イコは床に投げ出されたのです。
気が付くと、ひどい雨が降りしきる中、イコは螺旋階段をどこまでも上がっていました。
部屋の中央には天井から大きな鳥籠のようなものが吊されています。
イコがその鳥籠をなんというでもなく見ていると、見る間に鳥籠の底部に黒いシミのようなものが広がり、
またたく間にあふれ、部屋の床にしたたり落ちていったかと思うと。
鳥籠の中の黒いシミからなにやら影のようなものがわき出してきて、みるみる人のかたちをとりだしたのです。
イコは息も出来ずにその光景に釘づけになっていました。
そんなイコの背後の壁にも黒いシミが広がったかと思うと。
中から黒い手のようなものが出てきてイコをシミの中に引きずり込もうとして...
そこでイコの意識が戻りました。
あたりを見渡すと、イコは先程のカプセルの部屋にいたのです。
どうやら床に投げ出された際に気を失って夢を見ていたようです。
ともかくカプセルに入れられたまま死ぬことは免れたようです。
あとはなんとかしてこのお城から出なければなりません。
ここからイコの冒険が始まります。