木かげの家の小人たち
いぬい とみこ 著/吉井 忠 画
福音館書店
ISBN: 4834018105 ; (2002/06/14)
ムスメ(中2)が友達に借りて「感動した。泣いちゃったよ〜」と連呼するので、そんなに面白い本なら、と購入してみました。
ムスメは本当に本を読まないので、そんなムスメが読める本ならと、ついついお財布のヒモがゆるんでしまう私なのです。
主人公ゆりの家には4人の小人が住んでいます。
その小人たちが生きていくためには毎日コップ1杯のミルクをあげること。
現代の日本ならさほど難しくない条件ですが、舞台は戦時中の日本。
自分たちの食料もままならない状況の中、ミルクを欠かさないようにしようと心を砕くゆりと小人たちの物語が穏やかな優しい文章で綴られていきます。
いい物語でした。
抑えめの表現ゆえに心の中にすんなり入っていく感じがしましたです。
ムスメみたいに感動して泣くことはありませんでしたけど、とても引き込まれる物語でした。
この続編に
くらやみの谷の小人たちがあり、4人の小人たちのうち、子供の小人2人と、ゆりの疎開先で出会ったアマネジャキという日本の小人の冒険が綴られた物語なのだそうですが。
ムスメはこの続編は読みたくないのだそうです。
というのは4人の小人のうち父と母の小人には共感できるのだけど、その子供であるきょうだいの小人がやることには共感できなかったからなのだそうな。
親の小人は昔ながらの生活をかたくなに守り続け、一方、子供の小人たちはしきたりを破り、どんどん外の世界に出ていこうとし、結果的に小人たちが生き残れる力となっていくのですが。
どうもムスメは保守的な人だったようで。
普通なら子供は子供の小人のやり方の方に共感するものだと思っていた私にとって面白い発見でした。
続編の方はこっそり図書館で借りてきて読んでみようと思っています。
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