マリアからの手紙
グレーテリース・ホルム 作/伊佐山 真実 訳
徳間書店
ISBN: 4198603332 ; (1995/07)
「ママ、すっごくおもしろい本があるんだよ」
ムスメが私にこの本の事を教えてくれたのは小4のときでした。
学級文庫(教室に何冊か本があり、クラスの子だけ読めるらしい)で見つけたというこの本、あんまり「いい、いい」とムスメが絶賛するので、とうとう購入してしまいました。
「どんな話なの?」と私が訊いたところ「心臓病で心臓移植の順番を待ってる女の子の話」とユキは言いました。
そのとき「ああ、そういう話なんだな」と私の中で先入観が生まれてしまっていたのですが、実際読んでみると全然違う内容でした。
確かに主人公のマリアは心臓移植を待つ14才の女の子なのですが、その日々の生活は普通の女の子と変わりません。
友達とはしゃぐし、好きな子のことでときめくし、生まれたばかりの小さな妹のことをいとおしく思っている。
そんな普通の生活が生き生きと描かれています。
舞台がデンマークだからなのか、14才の日常ってこういうものなのか、もうすぐお年頃になる娘を持つ私にとっては彼女らの性に対する考え方に多少ドキドキしながら、それでも面白く読み進むことが出来たのでした。
闘病記ではなく、病気はあるが普通の女の子という視点が生きているいい本だと思います。